前回のブログでは、文字学習の前に、耳を育てる時間を大切にするというお話しをしました。
今回は、「なぜCOISHでは、音を土台にしてから文字へ進むのか」について、子どもの発達と英語の特性の両面から、より具体的にお話していきます。
音を覚えるための「補助」としての文字導入
COISHでは、本格的に文字を書く練習は、小学校入学後から始めています。
小学校に入ると、授業の中で座って学ぶ時間が増え、文字を書くこと自体が日常になります。
それに加えて、
- 鉛筆の運びが安定してくる
- 文字の形を認識する力が育つ
といった、発達面・技術面のタイミングも考慮しています。
「書く練習」は、アルファベットから
小学校1年生では、まずアルファベットを1文字ずつ練習します。
A〜Zを一通り書けるようになったあと、次のステップとして、
2〜3文字の単語を、1回につき5語程度練習していきます。
ただし、ここで使う単語には、はっきりした条件があります。
「自分で読める単語」だけを使います
文字練習に使うのは、基礎的なフォニックスルールで、自分の力で読める単語のみです。
市販のテキストは「会話で使うこと」が前提のため、
初期段階のフォニックスではまだ読めない単語も多く含まれています。
たとえば baseball は、
1音ずつのフォニックスを学び始めた段階では、まだ読めません。
そのためCOISHでは、
- 3文字まで
- 音と文字の対応が分かりやすい単語
に限定しています。
例えば「cat」の場合
「cat」は、
- C「ク」
- A「エァ」
- T「トゥ」
という音からできています。
この音の流れが分かっていれば、
「覚えた」のではなく、「読めた」という経験になります。
※カタカナ表記のため、実際の発音とは異なります
つづりが書けなくてもOK
学年が上がると、テキストで使われている単語を用いた書く宿題がでますが、基本的に宿題は、
- テキスト付属CDを聞くこと
- B5プリント1枚
のみです。他のスクールと比べると、かなり少ないかもしれません。
宿題は、レッスンを支える大切な時間です。
ただし、量が多すぎると、
- 早く終わらせたい
- 楽しくない
という気持ちが大きくなってしまいます。
体調が悪い日や、校外学習など、宿題ができない日があっても、
「また時間があるときにやればいいよ」と伝えています。
それでも、これだけはお願いしています
できれば、テキスト付属のCDは聞いてきてほしいと思っています。
短い時間でも、
- 一緒に言えるようになる
- 歌を歌えるようになる
それだけで、子どもたちの英語力は大きく伸びます。
子どもたちにも伝えていますが、
「書くこと」よりも「聞いて、歌えること」のほうが、
英語力の土台づくりには大きく影響していると感じています。
英語は「文字より音の情報量」が多い言語
これには、理由があります。
日本語は、
文字の長さ=音の長さが、ほぼ一致します。
一方、英語には、
- 同じ文字でも音が変わる
- 音が弱くなる、消える
- 音がつながって変化する
という特徴があります。
音の感覚が育っていない状態で文字を見ると、
「読めない」「混乱する」ことが起きやすくなります。
英語は「聞こえたまま」では書けない
子どもは本来、
聞こえた音をそのまま再現する力がとても高いです。
しかし英語は、
- 聞こえない音がある
- 音がくっつく
という性質のため、
日本語のように「聞こえたまま書く」ことが難しい言語です。
だからこそ、
先に歌やリズムを通して音の感覚を入れ、
そのあとで文字を導入するほうが、
子どもたちにとって負担が少ないと考えています。
音・意味・文字は、どれも大切な要素です。
だからこそ、その順序と重みづけをどう設計するかが、
英語学習の質を左右します。
「今はまだできていない」と感じることがあっても、
それは、力が育っていないということではありません。
見えにくいところで、
確実に積み重なっているものがあります。
子どもの発達と英語の特性を踏まえながら、
丁寧に考えていきたいところです。