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  • 英検は意味ない?小学生の英語指導を通して感じること

    英検は意味ない?そう言われる理由

    「英検って意味あるんですか?」
    「英検を合格しても話せるようにはならないですよね?」

    小学生の英語学習について調べていると、
    「英検は意味ない」という意見を見ることがあります。

    実際に英検に合格しても、
    すぐに英語が話せるようになるわけではありません。

    では、英検は本当に意味がないのでしょうか。

    小学生の英語指導を長くしていると、
    英検をきっかけに英語への取り組み方が
    大きく変わる子をたくさん見てきました。

    英検は、
    使い方によって大きな力になる試験だと感じています。


    それでも英検に意味がある理由

    英語学習では、単語を覚えるときのプロセスがとても重要です。

    よくあるのが、

    英語 → カタカナ読み → 日本語の意味

    という丸暗記型の覚え方です。

    しかしこの方法では、
    単語が増えるほど覚えるのが苦しくなってしまいます。

    英語教室でよく使われているのは、
    絵カードなどを使いながら

    単語 → イメージ → 意味

    という順番で覚えていくことが多いです。

    これは、日本語を話すときのプロセスに近いからです。

    例えば
    「昨日何してた?」と聞かれたとき、

    まず頭の中に
    出来事のイメージが浮かびます。

    そのイメージを言葉にすることで
    自然に会話が生まれます。

    しかし第二言語として英語を使う場合、

    イメージ

    日本語(言語)

    英語(言語)

    という変換をしてしまうと、
    発話までに時間がかかってしまいます。

    英語を難しく感じる原因の一つは、
    このプロセスにあると言われています。


    英検が英語学習のきっかけになる理由

    英検の問題には、
    さまざまなシチュエーションが登場します。

    教室のレッスンだけでは
    どうしても触れられる場面が限られますが、

    英検の問題を通して
    多くの状況に触れることができます。

    実際のレッスンでも、
    問題を解くだけではなく

    「この状況ってどんな場面?」

    とイメージさせながら取り組むと、
    子どもたちは意外と楽しんで取り組みます。

    問題の内容がおもしろくて、
    笑いが起きることもよくあります。

    単語を日本語に置き換えるだけの勉強では、
    なかなか体験できない学習です。


    英検は文法理解を深めるきっかけにもなる

    小さい子どもにとって、
    文法を理解してから英語を話すのは
    なかなか難しいものです。

    そのため、最初は

    I like pink.
    I like dogs.
    I like apples.

    のように、
    文の形を覚えながら語彙を広げていきます。

    高学年になると、
    そこに文法知識が少しずつ加わり、
    より複雑な文章を作れるようになっていきます。

    普段のレッスンでは
    会話や発話の時間を大切にするため、

    細かい文法の整理は
    どうしても後回しになることがあります。

    英検の問題に取り組むことで、
    この文法理解が整理されるというメリットもあります。


    英検が子どもに与える一番の変化

    そして、英検の一番大きな価値は
    子どもたちの自信につながることだと思います。

    一生懸命勉強して、
    試験に合格してから手にする「合格証書」。

    その一枚が、
    子どもたちにとって大きな自信になります。

    英語が分かる
    英語が得意

    という気持ちは、
    英語学習を続けるうえでの
    一番の原動力になります。


    英検はゴールではなく通過点

    英検は、
    それ自体がゴールではありません。

    英語力を高めるための
    一つの通過点です。

    英検を目標にすることで、
    学習のペースが生まれ、
    子どもたちの成長が見える形になります。

    使い方によっては、
    英語学習を大きく前進させてくれる試験。

    それが、
    英検なのではないかと感じています。


    英検をどう活かすかが大切

    英検は、合格したからといって
    すぐに英語が話せるようになる試験ではありません。

    しかし、

    ・英語学習の目標になる
    ・文法や語彙を整理するきっかけになる
    ・子どもの自信につながる

    という点で、英語学習を前に進める大きなきっかけになります。

    英検を「目的」にするのではなく、
    英語力を高めるための通過点として
    上手に活用していくことが大切だと思います。

    実際に、小学生のレッスンをしていると、
    英検をきっかけに子どもたちの取り組みが変わる瞬間をよく見ます。

    英検5級に合格したあと、
    レッスンでの発言が増えたり、
    自分から単語を調べるようになったりする子もいます。

    資格そのものよりも、
    「できた」という経験が子どもを成長させるのだと感じています。


    小学生の英検勉強法|英語講師が考える基本の進め方

    では、小学生は英検に向けて
    どのように学習していけばよいのでしょうか。

    英検対策というと、
    「単語を覚える」「問題集を解く」
    というイメージを持つ方も多いかもしれません。

    しかし、小学生の英語学習では
    少し違った視点も大切になります。

    次回は、
    小学生の英検勉強法の基本的な考え方について
    英語指導の現場で感じていることを書いてみたいと思います。

  • 英検リスニングは「英語耳」だけでは足りない

    英語耳がないから、リスニングは無理?

    世の中には、
    「英語の耳を育てる」
    という宣伝をよく見かけます。

    英語業界では、赤ちゃんから大人まで
    「英語耳」という言葉がよく使われていますよね。

    でも実際のところ、
    英語の耳を育てるとはどういうことなのでしょうか。


    保護者が感じるリスニングの壁

    英検5級・4級の問題は、
    リーディングとリスニングで構成されています。

    保護者世代の方々は、

    • 単語や文法は分かるからリーディングは教えられる
    • でもリスニングはさっぱり分からない

    という方も多いのではないでしょうか。

    「英語をあまり聞いてこなかったから」
    「学校英語はリスニングが少なかったから」

    そう言われることも多いですが、
    私はどの年代からでも英語の耳は育てることができると思っています。

    実際、学習方法によっては
    かなり高いレベルまで改善することも可能です。


    英検で鍛える「英語の耳」

    英語の耳とは、
    “英語の音を聞き取って理解する力(リスニング力)”のことです。

    よく
    「英語のシャワーを浴びれば英語耳が育つ」と言われますが、

    単純に聞く量を増やすだけでは十分ではありません。

    また、英語に触れる年齢によって、
    効果的な学び方は少しずつ変わってきます。

    特に小学生から英語を始める場合、
    フォニックスの学習はとても大切です。

    これは幼児でも大人でも同じですが、

    自分で発音できない言葉は、聞き取ることができません。

    まずは

    ・口の形
    ・舌の位置
    ・音の出し方

    を意識し、自分の口でその音を作ることから始めます。

    自分で発音できるようになると、
    不思議とその音が聞こえるようになってきます。


    英語耳だけが原因ではないリスニングのつまずき

    リスニングが苦手な原因は、
    必ずしも「英語耳がないから」だけではありません。

    英検5級のリスニングは、大きく3つのタイプに分かれています。

    大問1と大問2は会話を理解する問題です。

    一方、大問3はイラストを見ながら説明を聞く問題で、
    実は語彙理解の要素も多く、リーディングの延長とも言える内容です。

    リスニングが苦手だと、多くの人が
    「何度も聞いて覚えよう」とします。

    もちろんそれも大切な練習ですが、
    小学生の場合、実はそれ以前に

    会話の状況を理解していない

    というケースがとても多いのです。


    会話の背景を想像する力

    コイッシュの英検対策では、
    まずこんなことを考えます。

    • 誰と誰の会話なのか
    • 二人の関係は?
    • どんな場面なのか?

    そこから、

    「この二人なら、どんな会話をするかな?」

    と想像していきます。

    登場人物の関係が分かると、
    会話の内容をある程度予想しながら聞くことができます。

    これは日本語でも同じですよね。

    全くヒントがない状態で話を聞くのと、
    背景を知ってから聞くのとでは、
    理解度は大きく変わります。

    例えば登場人物が親子なら

    • 早く帰ってきてね
    • テストどうだった?

    など、
    家庭でよくある会話が想像できます。

    このように背景を理解して聞くことで、
    リスニングの正解率は大きく変わります。


    リスニング対策は「音」と「会話力」

    リスニング対策というと
    「聞く練習」ばかりを想像しがちですが、

    実際には

    • フォニックスによる音の理解
    • 会話の背景を想像する力

    この両方がとても大切です。

    コイッシュでは、

    • 役割に分かれての会話練習
    • 人物カードを使って文を作る

    などを通して、

    「想像しながら英語を理解する」

    という練習をしています。

    このようなアクティビティーが、
    結果として英検リスニング対策にもつながっていると感じています。

    今回は5級を例にお話ししましたが、英検のリスニングは、級によって求められる力も少しずつ変わってきます。
    各級の具体的なリスニング対策についても、今後このブログで順に書いていこうと思っています。


    英検って意味ないの?

    最近、

    「英検って意味あるんですか?」
    「英検を取っても話せるようにならないですよね?」

    という声を耳にすることがあります。

    長く小学生の英語指導をしていると、
    英検をきっかけに英語への取り組み方が大きく変わる子を
    たくさん見てきました。

    次回は、「英検って意味ないの?」という疑問に小学生を教える現場の講師としての視点から考えてみたいと思います。

  • 小学生の英検対策|単語の覚え方で英語力が変わる理由

    前回の記事では、
    英検は「いつ受けるか」よりも
    「どう学ぶか」が大切というお話をしました。

    今回は、その中でも特に大切な
    単語学習の考え方について書いてみたいと思います。

    英検対策というと、
    「とにかく単語を覚えないといけない」
    と思う方も多いと思います。

    実際、英検では単語力がとても重要です。

    ただ、小学生の英検指導をしていて感じるのは、
    単語は覚え方によって大きく差がつくということです。


    フォニックスが役立つ理由

    英語は本来、
    音と文字がつながっている言語です。

    例えば

    cat /kæt/

    のように、アルファベットの音をつなげること=フォニックスが身につけば、自分で単語を読む力につながります。

    しかしながら英検対策として
    先にカタカナを当てて

    cat = キャット(音)=猫(意味)

    のように、日本語を使って覚えてしまうと、
    いつまでも丸暗記が終わらない学習になってしまいます。

    また、カタカナ読みで覚えた単語は
    リスニングの際にもう一度「音」を覚え直す必要があります。

    さらに、3級以上のライティングでは
    発音から綴りを書けるようになると
    改めてスペルを覚え直す時間も短くなります。

    確かに最初は、丸暗記の方が早いように感じるかもしれません。
    しかしフォニックスを身につけることで、
    英語の難易度が上がっても

    ・読む
    ・聞く
    ・書く
    ・話す

    といった英語4技能を伸ばす土台になります。


    品詞も一緒に覚える

    もう一つ大切なのが、
    品詞を意識した単語学習です。

    特に文法を理解する上で、
    品詞はとても重要です。

    コイッシュでは、低学年でも
    少しずつ品詞の知識を身につけていきます。

    そうすることで、
    自分で文を組み立てる力がついていくからです。

    低学年の子どもたちは
    「動詞?名詞?」というように
    文法用語を知らないところからスタートします。

    それでも、新しい単語を覚えるときには
    品詞も一緒に覚える習慣をつけています。

    英検の単語も、品詞を意識して覚えることで
    覚えた単語を実際に文の中で使える力につながります。

    第二言語として英語を学ぶ際には、
    日本語との違いを楽しみながら
    単語を覚えていくことも大切だと感じています。


    英検は単語力が結果に出やすい試験

    英検は、
    単語力が結果に出やすい試験です。

    だからこそ

    ・日本語だけで覚える
    ・カタカナで覚える

    という方法よりも

    ・読める
    ・意味が分かる
    ・使える

    という形で単語を覚えていく方が、
    結果的に英語力も伸びていきます。


    小学生の英検対策で大切な単語学習のポイント

    小学生の英検では

    「どれだけ早く合格するか」よりも
    どんな学び方をしているかがとても大切です。

    時間がかかっても

    ・英語の音を大切にする
    ・自分で読める力をつける
    ・意味と結びつけて覚える

    この土台があると、
    その後の英語学習がぐっと楽になります。


    小学生の英検でよくある悩み「リスニングが苦手」

    次回は、英検学習でつまずきの多い

    「リスニングが苦手」

    というお悩みについて、
    小学生を教える現場の講師としての考えを書いていこうと思います。

  • 英検はいつから意識する?英語講師のリアルな考え

    今回は、「英検はいつから受けるのがいいの?」
    というよくある質問について、英語講師としてのリアルな考えを書いてみたいと思います。

    「〇歳で英検〇級合格!」

    そんな記事を見ると、
    「すごい!うちの子もできるのかな?」
    と思う保護者の方も多いと思います。

    では、英検はいつから受けるのがいいのでしょうか?

    英検5級は、一般的には中学1年生レベルと言われています。
    ですので、小学生で5級に合格するのは十分すごいことです。

    ただ、最近の英検ブームを見ていると、

    「もっと小さい頃に受けた方がいいの?」
    「うちは遅いのかな?」

    と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

    でも、英語講師としてお伝えしたいのは
    「いつ受けるか」よりも「どう学ぶか」の方が大切だということです。


    単語学習は「やり方」が大切

    私が考える英検受験適齢期は、年齢ではなく、どこまで学習が進んでいるかを基準に考えます。

    英検合格には、①単語 ②文法 の知識は必須です。
    その力を空所補充や長文読解、リスニングなどで問われます。

    王道ですが、単語学習は、コツコツと時間をかけて行う必要があります。

    ただ、地道な単語学習も、やり方が大切です。
    せっかく幼い時期に英検を受けるならなおさら、カタカナ読みの丸暗記で、とにかく合格だけを目指して詰め込みで単語を覚えるというのは、これから続く長い英語学習を考えると、遠回りです。

    面倒でも発音を聞きながら音と文字のつながりを含めて覚えていくのがベストです。

    一度単語を覚えるコツやフォニックスの知識がつながれば、その次の級からは、より早く英単語を覚えていけます。


    コイッシュでの英検受験の目安

    コイッシュは、小学生は5レベルのクラスがあります。

    英検5級を受ける目安は、グリーンクラス終了時をお勧めしています。

    グリーンクラスは、小学3年生(英語学習歴2年以上)が対象のクラスです。英検短期講座受講もグリーンクラスが終了した子たちからおすすめしています。

    グリーンクラスでは、フォニックスの学習が一通り終わり、自分の力で単語を読むことができるようになる時期です。そのため、英検の単語を学習することで、フォニックスの知識も強化されることが期待できます。

    また、文法も英検5級の範囲を終えるため、
    ◆文字と音のつながりが整い、自分で読める単語が増えること
    ◆文法の学習を終えるため、練習問題が無理なく取り組める
    というのが基準になります。

    コイッシュは、自学自習できる力をつけることを目標にしていますので、ご家庭で親御さんが横についていなくても自分で取り組める力を付ける目安がこのグリーンクラスです。


    レッスンでの英検対策

    通常のレッスンでは、特に英検対策をしているわけではありません。

    ただ、テキストだけでは単語量は少ないので、語彙力強化を目標に、様々なアクティビティーやゲームで子供たちが楽しみながらみんなで覚えられるように工夫しています。

    文法の習得も、例えば低学年向けに三人称単数という説明は難しいですよね。

    でも、様々なアクティビティーを通して、楽しみながら学んでいくことで、「三人称単数」という言葉がまだ分からなくても、「He/She/It」が主語の時は動詞に「s」を付けるということはよく理解しています。


    結局、いつ受ける?

    コイッシュでは、年齢ではなく、
    文法理解と読む力が育ってきたタイミングを基準にしています。

    英検は「早く受けること」が目的ではありません。
    英語を読み、自分で学べる力を育てることが大切だと考えています。

    英検は、子どもたちの英語学習を加速させる
    良い「ブースター」になります。

    「急いで合格すること」ではなく
    「正しい学び方を身につけること」

    だと思っています。

    時間がかかっても、

    ・英語の音を大切にする
    ・自分で読める力をつける
    ・意味とセットで理解する

    この基本をしっかり押さえておくと、
    その後の英語学習がぐっと楽になります。

    この力が育ってきたら、英検を受ける無理のないタイミングだと思います。


    次回は、
    小学生の英検で意外と大切な「単語学習の考え方」について書いてみたいと思います。

  • 見えにくい成長を、どう見守るか― COISHが一番大切にしていること

    英語が話せるようになった、と聞いて私たちは、どんな姿を思い浮かべるでしょうか。

    単語がすぐに出てくる。
    文でスラスラ話せる。
    家でも英語を口にしている。

    確かに、分かりやすい成長です。
    でも、それだけで、「できる・できない」を判断して良いのでしょうか?

    英語を学習していく過程では、見えにくい成長もあります。

    • 音の聞き分けが安定する
    • 反応が速くなる
    • 読むときの迷いが減る
    • 指示を英語で理解できる

    これらの変化も、
    本来であれば成長として十分に評価されるものです。

    フォニックスの成果は、まずアウトプットではなく、こうしたインプットの部分に現れます。

    見える形になるまでには、もう少し時間が必要なのです。

    そのため、フォニックス学習は、目に見えにくい成長だと感じられることが多いのです。


    ある日、点から線へ育っていることに気づく

    このシリーズでは、フォニックスの視点からの英語学習についてお話をしてきました。

    COISHでは、これまでお話してきた、子どもの成長や日本語と英語の違いを踏まえ、英語学習を長期と短期の両方の視点から捉え、全体的なレッスンを構成しています。

    COISHの柱となるフォニックス学習やテキスト学習はこんなイメージで導入しています。

    • フォニックス:音の土台を整える
    • 単語・文でのやりとり:使う準備
    • 文字導入:理解を安定させる

    どれも単独ではなく、成長と共に力を発揮する「使える英語」を育てるための通過点です。

    積み重ねの学習の中で、成長が点ではなく、線だったことに気づく瞬間が必ずやってきます。


    COISHが一番大切にしていること

    COISHの目標は、「自学自習をする力を身につけること」です。

    音の聞き取りや反応の速さ、理解の深まりなど、目には見えにくい変化にも目を向けながら、他の子と比べることなく、一人ひとりのペースで育っている力を丁寧に見守っています。

    英語を習得するためには、一定数の学習時間が必要です。フォニックスで一つずつの音から始まり、それらをつなげて発音し、単語や文法を覚えて、やっと外へ出す準備ができるのです。

    こうして積み重ねた力は、
    やがて「目に見える形」として表れるようになります。

    その一つが、英検などの資格試験です。


    COISHでは、英語が使えるようになるその日までの過程を、
    大切に見守っています。

  • 家では話さないのに、レッスンでは分かってる?

    話さない=身についていない?
    ― フォニックス学習で起きている「見えない成長」

    「家では英語をまったく話しません」
    「レッスン以外では、英語が出てくる気配もありません」


    保護者の方から、よくいただく言葉です。

    でも、「話さない=何も起きていない」とは限りません。
    英語学習の初期、特にフォニックスの段階では、
    子どもの中で“外からは見えない変化”が進んでいることが多いのです。


    なぜ、家では英語が出ないのか?

    英語が家で出ない理由は、
    やる気がないからでも、身についていないからでもありません。

    多くの場合、理由はもっとシンプルです。

    英語を「使わなくていい場所」だから。

    家は、子どもにとって一番安心できる場所です。通じる日本語があり、困ることもありません。英語を使わなくても生活が成り立つ環境です。

    一方、教室では、英語を使わないとレッスンが進みません。

    • 英語で問いかけられる
    • 英語で反応すると次に進める
    • 英語が道具として必要な場面がある


    この環境の差が、そのまま英語の出方の差になります。

    とはいえ、レッスンではフォニックスだけでなく、単語や文でのやり取りも練習しています。

    それでも、家でまったく英語が出ないと、「大丈夫かな?」と感じるのは自然です。

    よくあるケースとして、おうちの方が、「レッスンで何をやってきたかを聞いても分からないって答える」と言われることがあります。

    実はこれ、一番多いお悩みとしてよく聞きます。

    しかしながら、実際のレッスンでは、次のような姿が見られることがほとんどです。

    • レッスンでは反応できている
    • 単語・短文を理解している
    • 指示が通る、やりとりが成立している

    場合がほとんどです。


    その場合、英語を 口から出す前に、頭の中で処理する段階 にいます。

    • 音を聞き分ける
    • 文字と音を結びつける
    • 正しい音の形を探す

    これらはすべて、内側で起きる作業です。

    この段階で英語が出ていなくても、
    英語が「育っていない」わけではありません。

    フォニックスは、単語や文でのやりとりをもう一度つなぎ合わせるための土台でもあります。

    その土台があるからこそ、
    ある日突然、読める・言えるがつながります。


    これまで、フォニックスや家庭での学習成果の見えにくさについてお話してきました。

    次回は、
    COISHが英語学習で一番大切にしていることを、
    あらためてまとめたいと思います。

  • 音を支えるための文字導入

    前回のブログでは、文字学習の前に、耳を育てる時間を大切にするというお話しをしました。

    今回は、「なぜCOISHでは、音を土台にしてから文字へ進むのか」について、子どもの発達と英語の特性の両面から、より具体的にお話していきます。


    音を覚えるための「補助」としての文字導入

    COISHでは、本格的に文字を書く練習は、小学校入学後から始めています。

    小学校に入ると、授業の中で座って学ぶ時間が増え、文字を書くこと自体が日常になります。
    それに加えて、

    • 鉛筆の運びが安定してくる
    • 文字の形を認識する力が育つ

    といった、発達面・技術面のタイミングも考慮しています。


    「書く練習」は、アルファベットから

    小学校1年生では、まずアルファベットを1文字ずつ練習します。
    A〜Zを一通り書けるようになったあと、次のステップとして、
    2〜3文字の単語を、1回につき5語程度練習していきます。

    ただし、ここで使う単語には、はっきりした条件があります。

    「自分で読める単語」だけを使います

    文字練習に使うのは、基礎的なフォニックスルールで、自分の力で読める単語のみです。

    市販のテキストは「会話で使うこと」が前提のため、
    初期段階のフォニックスではまだ読めない単語も多く含まれています。

    たとえば baseball は、
    1音ずつのフォニックスを学び始めた段階では、まだ読めません。

    そのためCOISHでは、

    • 3文字まで
    • 音と文字の対応が分かりやすい単語

    に限定しています。


    例えば「cat」の場合

    「cat」は、

    • C「ク」
    • A「エァ」
    • T「トゥ」

    という音からできています。

    この音の流れが分かっていれば、
    「覚えた」のではなく、「読めた」という経験になります。

    ※カタカナ表記のため、実際の発音とは異なります


    つづりが書けなくてもOK

    学年が上がると、テキストで使われている単語を用いた書く宿題がでますが、基本的に宿題は、

    • テキスト付属CDを聞くこと
    • B5プリント1枚

    のみです。他のスクールと比べると、かなり少ないかもしれません。

    宿題は、レッスンを支える大切な時間です。
    ただし、量が多すぎると、

    • 早く終わらせたい
    • 楽しくない

    という気持ちが大きくなってしまいます。

    体調が悪い日や、校外学習など、宿題ができない日があっても、
    「また時間があるときにやればいいよ」と伝えています。


    それでも、これだけはお願いしています

    できれば、テキスト付属のCDは聞いてきてほしいと思っています。

    短い時間でも、

    • 一緒に言えるようになる
    • 歌を歌えるようになる

    それだけで、子どもたちの英語力は大きく伸びます。

    子どもたちにも伝えていますが、
    「書くこと」よりも「聞いて、歌えること」のほうが、
    英語力の土台づくりには大きく影響している
    と感じています。


    英語は「文字より音の情報量」が多い言語

    これには、理由があります。

    日本語は、
    文字の長さ=音の長さが、ほぼ一致します。

    一方、英語には、

    • 同じ文字でも音が変わる
    • 音が弱くなる、消える
    • 音がつながって変化する

    という特徴があります。

    音の感覚が育っていない状態で文字を見ると、
    「読めない」「混乱する」ことが起きやすくなります。


    英語は「聞こえたまま」では書けない

    子どもは本来、
    聞こえた音をそのまま再現する力がとても高いです。

    しかし英語は、

    • 聞こえない音がある
    • 音がくっつく

    という性質のため、
    日本語のように「聞こえたまま書く」ことが難しい言語です。

    だからこそ、
    先に歌やリズムを通して音の感覚を入れ
    そのあとで文字を導入するほうが、
    子どもたちにとって負担が少ないと考えています。

    音・意味・文字は、どれも大切な要素です。

    だからこそ、その順序と重みづけをどう設計するかが、
    英語学習の質を左右します。

    「今はまだできていない」と感じることがあっても、
    それは、力が育っていないということではありません。

    見えにくいところで、
    確実に積み重なっているものがあります。

    子どもの発達と英語の特性を踏まえながら、
    丁寧に考えていきたいところです。

  • 文字学習の前に大切にしていること

    以前のブログで、
    フォニックスは万能ではないというお話をしました。

    その中で少し触れましたが、
    COISHでは、文字学習に入る前に
    とても大切にしている考え方があります。

    今回は、その理由を
    子どもの発達英語という言語の特性の視点からお話しします。


    子どもの発達とともに

    生まれたばかりの赤ちゃんは、数年のうちに言葉を話すようになります。

    「うーうー」「あーあー」といった喃語を発し、
    やがて意味を持つ単語を理解し、それが二語文、三語文へと発展することで、少しずつ文として表現する力を身につけていきます。

    発音についても同じです。
    赤ちゃんは、毎日接している大人の言葉を聞き、
    そのアクセントやリズム、口の動きをまねることで、
    自然に発音を身につけていきます。


    第二言語として学ぶ英語の場合

    一方で、第二言語として学習する英語は、
    最初から「単語を覚える」「文にする」ことを求められがちです。

    しかし私は、
    言語が育つプロセスそのものは、年齢に関わらず、母語の習得と大きく変わらないと考えています。

    生まれたばかりの赤ちゃんが言葉を覚えるとき、
    まずしているのは、
    じっと大人の口元を見て、
    口の動かし方や音を観察し、まねることです。

    英語も同じです。

    まずは

    • 口の形
    • 正しい音
    • 英語独特のリズム

    を、繰り返し聞き、まねることから
    言語の土台づくりが始まると考えています。


    耳(音)が先、目(文字)はあと

    そのためCOISHでは、
    耳(音)の発達が先、目(文字)はあと
    という考え方を大切にしています。

    特に幼児期は、

    聞く → 真似する → 体で覚える

    という順番がとても自然です。

    文字は、
    理解を助けるための大切な道具ではありますが、
    最初の入口ではありません。

    だからこそCOISHでは、「まず耳を育てる時間」を意図的にカリキュラムの中に組み込んでいます。

    時々、幼児クラスの体験レッスンに参加された保護者の方から、
    「文字を書く練習はないのですか?」
    とご質問をいただくことがあります。

    COISHのカリキュラムでは、
    文字を書く練習は小学校から始めています。

    それは、文字学習を軽視しているからではありません。

    むしろ、音と意味が結びついたあとに文字を導入する方が、
    英語が“使える力”として定着しやすい
    と考えているからです。


    小学生も「口の形・音」が先

    これは幼児期に限った話ではありません。

    小学生であっても、
    第二言語として英語を学ぶのであれば、
    幼児と同じようなプロセスで進める方が、
    結果的にとても効率が良いと考えています。

    そのためCOISHの小学生クラスでも、
    レッスンの中にフォニックスの歌を歌ったり、
    口の形や音を確認するウォーミングアップを取り入れています。

    時間にすると毎回5分ほどの短い時間ですが、
    英語の土台を整えるための、とても大切な学習です。


    次回は、
    なぜCOISHでは、音を土台にしてから文字へ進むのか

    文字学習に入る順序は、あまり深く考えられることがありませんが、実は、子どもの発達と英語の特性の両面から見ても、とても重要です。

    次回は、具体的なレッスンの考え方を交えながら、
    その理由を詳しくお話ししていきます。

  • 1音ずつは読めるのに、単語になると読めない理由

    フォニックスは音の学習です。
    「文字を見て、その音を発音する力」です。

    たとえば、
    b は「ブッ」
    e は「エ」
    d は「ドゥ」
    というように、
    アルファベット一文字ずつの音を覚えることで、発音できるようになります。

    COISHの幼児クラスでも、
    この段階まで到達する子はたくさんいます。

    しかし、ここで一つの壁が現れます。

    それは、
    1音ずつは言えるのに、単語になると読めなくなる
    という壁です。

    「b… e… d…」と音を一つずつ言うことはできても、
    それを自然につなげて bed (ベッド)と発音することが難しいのです。

    これは、フォニックスの学習が足りないからではありません。
    多くの場合、
    音を並べることと、音をひとまとまりとして捉えることは、別の力だからです。


    音をつなげる練習へ

    アルファベットを1音ずつ覚えることは、それほど難しいことではありません。正しい口の形を作り、それを真似して練習することで、すぐに覚えていきます。

    一方で、単語として読むためには、
    複数の音をまとめて処理し、
    「一つの音のかたまり」として認識する必要があります。

    この段階では、
    頭の中での処理量が一気に増えます。

    そのため、
    1音ずつならできていたことが、
    単語になると急に難しく感じられるのです。


    フォニックス学習を進めていく中で
    多くの子どもが一度は通る道です。


    何が原因?日本語的な発音とは?

    フォニックスの「1音ずつは言えるのに、単語が言えない場合のつまづき」は、

    • 1音ずつ「止まりながら」発音している
    • 音を流す経験がまだ少ない

    ということがほとんどです。

    つまり、
    日本語的な発音の癖が、自然に出ているだけです。

    どういうことか言うと、
    日本語は、基本的に一音ずつに母音がつく言語です。
    そのため、音を「流れるようにつなげる」という感覚が薄いのです。

    たとえば、日本語で「ベッド」と発音する場合、
    それぞれの音の長さは、ほぼ同じです。

    一方、英語の bed は、
    「ブッ(子音)」「エ(母音)」「ドゥ(子音)」という構成になっています。
    音としては、母音が中心になり、
    子音は、作った口の形から生まれるごく短い音になります。

    そのため、英語はアルファベットの文字数に比例した長さで発音されるわけではなく、弱い子音は聞こえにくくなります。

    「ブッ」「エ」「ドゥ」と音を区切って発音するのではなく、
    その音を流れるようにつなげて発音することが単語を読むことなのです。

    この感覚を、子どもたちが頭で理解するのは簡単ではありません。
    そこで、説明よりも先に、自然とそう発音できるように導く練習を重ねていきます。

    この練習へと進むためには、一音ずつの音がしっかり身についていることが前提です。

    一つひとつの音があいまいなままだと、
    その先の「流れるようにつなげて発音する」ことが、
    子どもにとって大きな負担になってしまいます。

    そのため、COISHでは、数年にわたって、繰り返し取り組んでいきます。

    子どもたちが「もう知っている」と感じるくらいまで、
    練習を続けます。

    その意味で、
    COISHが参加しているスペリングビーコンテストは、
    とても効果的な取り組みです。

    1レベル約50単語のリストが、A〜Zまで26レベル。
    膨大な量の単語に触れることで、
    単語を読む力を集中的に鍛えることができます。

    テキストに載っている単語量だけでは、
    学習したフォニックスを十分に「応用するところ」まで到達できない、というのが現実です。

    フォニックスのつまずきは、
    練習量や努力だけで解決できるものではありません。

    実はそこには、子どもの発達の段階と、
    英語という言語がもつ特性が深く関わっています。

    次回は、その視点から、
    COISHが文字学習の前に大切にしている考え方を整理していきます。

  • フォニックスは万能ではない

    「読めるのに話せない」が起きる理由

    フォニックスを学び、
    「単語が読めるようになってきた!」
    と成長を感じる瞬間があります。

    けれど、その喜びも束の間、多くの子どもたちが、ある壁に出会います。

    ―― 「読めるのに、英語が出てこない」 ――

    フォニックスを学び、文字と音の関係が分かってきたあと、多くの子どもたちが感じる違和感です。

    それは、
    「単語は読めるのに、英語を話すことができない」
    という状態です。


    英語学習のゴールは「使えるかどうか」

    以前のブログで、英語教育のゴールが
    「読むこと」から「使えること」へ移行している
    というお話をしました。

    その流れの中で、音の学習であるフォニックスは、英語の基礎力を支える、とても効果的な学習法です。

    ただし、ここで一つ、とても大切な視点があります。

    「音が分かる」と「使える」は、別の力

    フォニックスによって身につくのは、文字を見て、音に変換する力です。

    これは、英語学習の土台として欠かせない力で、ここが弱いと、読むこと自体が大きな負担になります。

    一方で、英語を「使える」ようになるためには、それだけでは足りません。

    必要なのは、その音や表現が
    どんな意味を持ち、どんな場面で使われるのかを理解し、
    実際に運用する力です。


    言語は「体験」を通して身につく

    これは私の考えですが、
    言語は、体験を通して習得されるものだと考えています。

    例えば、
    “May I help you?” =「いらっしゃいませ」

    英検や教科書でもよく見かけるフレーズですが、
    これを幼児が、体験なしで言葉だけ覚えるのは簡単ではありません。

    その場では言えても、
    体験と結びついていない言葉は、記憶に残りにくく、
    使える表現にはなりにくいのです。

    「使う場面」をセットにする

    では、どうすればいいのでしょうか。

    その言葉が使われる
    シチュエーションを想定して練習することです。

    COISHでは定番ですが、
    店員さん役とお客さん役に分かれた ごっこ遊び を行います。

    店員さん:
    「May I help you?」

    お客さん:
    「〇〇, please.」

    このやり取りを、
    遊びの中で何度も繰り返します。

    カードを見せて
    「先生のあとに続いて言ってね」
    と言うだけでは、子どもたちの集中力は長く続きません。

    でも、遊びを通して学ぶと違います。

    「この場面では、この言葉を使う」
    という体験がセットになることで、
    言葉は記憶に残り、忘れにくくなります。

    小学生以上でも「体験型」は有効

    この考え方は、幼児だけのものではありません。

    小学生以上のクラスでも、年齢やレベルに合わせて、
    ゲームやアクティビティを取り入れながら学習を進めています。

    例えば文法。

    「これは可算名詞・不可算名詞だよ」と説明しても、
    そのまま覚えている子は、ほとんどいません。

    でも、
    「カレーのアクティビティだよ」と声をかけると、

    「あー、あれか」

    と、すぐに思い出す子が多いのです。

    体験と結びついた知識は、
    言葉としてではなく、感覚として残ります。


    フォニックスは入口、ゴールではない

    フォニックスは、英語学習においてとても大切な役割を果たします。
    しかし、それだけで英語が「使える」ようになるわけではありません。

    音が読めるようになったその先で、その言葉を
    どんな場面で、どのように使うのか
    という体験を重ねていくこと。

    その積み重ねが、
    英語を「知識」ではなく、「ことば」にしていきます。

    フォニックスはゴールではなく、
    使える英語へ向かうための、大切な入口なのです。


    フォニックスを学習する上で理解しておきたい「つまづき」

    フォニックス学習の中で、多くの子どもが最初に出会う「音のつまずき」について、もう少し具体的にお話ししていきます。

    「一音ずつは言えるのに、単語になると読めなくなる」
    この現象は、なぜ起きるのでしょうか。

    実はそこには、日本語で育った私たちが無意識に身につけている“音の感覚” が深く関わっています。
    次回は、その背景にある考え方を、少しずつ紐解いていきます。